【お母さんの仕事とお父さんの仕事7:3の割合】

「ねえ、モクちゃん。
僕、なんだかわかったような
気がするよ」
と、ターナが言った。

「ほう、なにがだい?」

『感情』こそが
すべてのカギだって。

自分の中にある痛みの感情に
気づけなきゃ、
その感情に寄り添うなんて、
無理な話だろ?

そして、感情に寄り添わなきゃ、
『恐れの前提』に気づけやしない。

『恐れの前提』から『愛の前提へ』
この体験を重ねるには、
『感情』こそがカギなんだって」

「確かにその通りだ」
と、わたしは言った。

この坊やは
感情よりも思考にずいぶん重きを
置いて、意志の力ばかりで
成長しようとするものだから、
この気づきは
貴重であるように思えた。

「でもさ」
と、坊やは思案気にわたしを見た。

「痛みの感情に
ただ寄り添うだけでも、
僕らは少しずつ癒されていく。

けれど、寄り添っていれば必ず
『恐れの前提』を見つけられる
わけじゃないだろう?

こいつを見つければさ。
僕らは自分の思わぬ思い込みに
気づいて、
ぐっと『愛の前提』
近づけるのに」

 

「そうだね。
まあ、だからこそ、わたしは
他の誰かの手を借りて、
自分でも無自覚な
『恐れの前提』を探すんだが…」

 

「自分一人でも見つけられたら
いいのにな」
と、坊やはまるで
お願いするような声音で言った。

 

「うーん。
感情の寄り添いから
『恐れの前提』が見つかるとき、
たいてい通過するプロセスはある。

ここを踏まえなきゃ、
『恐れの前提』
なかなか出てこない」

 

「感情に寄り添うときの
大切なポイントってわけだね。
そいつを
僕にも教えておくれよ」
と、坊や。

 

わたしはうなずき、
また、ゆっくりと語り始めた。

「心の底に

『わたしは愛される資格がない』
こうした前提を持っている
女性の話をしたろ?

その前提があるために、彼女はいつも、
恋人の帰りが遅いとか、
折り返しの電話がないとか、
こんなことで心が
ザワザワしてしまう。

『また邪見にされ、
フラれてしまうんじゃ』
とおびえて、

不安、さびしい、
いたたまれない、
どうせわたしなんて…、

と言う感情が、あふれてくる。

大切なのはね。
まずはこいつを、
ハッキリと口に出して言うことだ」

「え?恋人に向かって?」

「うーん。
よほど深い信頼関係が
築けていれば良かろうが…。

そうでないなら、
まずは自分一人のときに
言ってみる

「口に出すってことだね。
それがそんなに大切なの?」
と、怪訝そうに尋ねる坊や。

「ああ、大切だ。
自分の気持ちにウソをつかず、
どう感じているのかを
正直に言ってみる。

不安、さびしい、
いたたまれない、
どうせわたしなんて…、

そう、叫んでみる。

理性的な人はね。
このように思うことすら
良くないと考えて、
口にしたがらない。

だが、ほら、感情とは
己の子どもと同じだったろう?」

「ああ、そうか。

恥ずかしいとか、
そんな姿(感情)じゃ表に
出せないとか、
邪見にしないで、
あるがままの彼らを、まずは
受け入れてあげるんだったね」

「そうなんだ。
自分自身が、その感情たちの
お母さんになったつもりで。

とにかく、ありったけ、
吐き出させてあげる」

「それでも、
『こんなことを考えてたんじゃ、
ますますフラれそう…』
なんて気持ちが過ったら?」

「『お前の話は、
後で聞いてあげるよ』
と、ストップかけようとする
感情に声をかけ、
『その前に、
【嘆きちゃん】の話を聞いて
やりたいんだが、どうだい?』
と尋ねて
いったん、脇に退いてもらう」

「そうだった。
いろんな感情たちが出てきても、
それぞれに名前をつけて、
一人一人に、対応してあげるんだった」

「そう。とにかくね、
激しい感情ほど
優先的にその声を聞いてあげる。

他の感情たちは、
『後で聞いてあげるから』と、
待ってもらう。

こいつが第二のポイントだ」

「とにかく、
理性で押し殺していた感情を、
主役にしてあげることが
大切なんだね。
思いっきり発散させてあげること」

 

「ああ、そうだ。

その感情を【嘆きちゃん】と
名づけるならば。

彼女が、まるで
悲劇のヒロインのように
泣きわめいたってかまわない。

一見理不尽なことを
どなりちらしてもよし。

君は【嘆きちゃん】のその姿を、
ただ、ひたすら
愛の眼差しで、見守り続ける。

そうして、
もうこれ以上は出でこないと
思うほど、感情を出し切ったら…。

次はどうするんだったか、
覚えているかい?」

 

坊やはうん、とうなずいた。
『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね。

ごめんね、今まで気づいてやれなくて。

愛しているよ…』

と、ありったけの慈愛をこめて、
言ってあげる」

 

わたしは微笑んだ。
「そう。
こいつもまた、
ハッキリと声に出して言うこと。

また、
【嘆きちゃん】の感情を、
洗いざらい吐き出せたタイミングで、
言ってあげること。

これもまた、重要なポイントだ。

そうしたらね。
必ず【嘆きちゃん】に変化が生まれる

 

「変化…?」
坊やが小首をかしげる。

 

「ああ、そうだ。
ポッと、心にスペースが空くような…。
身体が、一瞬、ゆるむような…。

人それぞれ違うだろうが、
必ず身体の中で、ハートで
微細な変化が生まれるはずだ。

その変化を、また味わう

 

「うん…」

坊やはまるで、自分の中で
起きている出来事のように
胸に手を当て、目をつむった。
わたしはそんな坊やに語り掛けるように言った。

 

「しっかりと
内側に耳を澄ませたら…。

【嘆きちゃん】に
『一つ、聞いてもいいかい?』
尋ねてやる。
そして、『うん…』と
返ってきたら。

『…なぜ、そう感じるの?』

と、優しく問うんだ。

【嘆きちゃん】の内側には
スペースが生まれているから。
たいてい、そこに、ポンッと
答えが浮かび上がる。

『どうせ、あの人はいなくなると、
分かってるから』
とか。

『独りぼっちになるって
決まってるから』
とか。

そうしたらまた
慈愛を込めて、
【嘆きちゃん】の感情に
寄り添う。

『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね。
ごめんね、今まで気づいてやれなくて』

しばしして、
また【嘆きちゃん】の心が
ゆるんだことに気づくだろう。

そしたらまた、
『…ねえ、一つ、
聞いてもいいかい?

なぜ、そう感じるの?』
と問いてやるんだ」

 

坊やは、そのやり取りを
心の中で反すうしているようだった。

 

【嘆きちゃん】に寄り添う。
彼女の中にスペースが生まれたと
思ったら、
『一つ、聞いてもいいかい?』と
尋ねて、
『なぜ、そう感じるの?』と
問うんだね。

この繰り返しで、『恐れの前提』が分かるの?」

 

わたしは首を横に振った。

「絶対じゃないさ。
だが、ただ深く寄り添い、
『なぜ?』と問いを投げるうち、
自分でも思いもよらない『前提』が
飛び出してくるものさ。

不安、さびしい、
いたたまれない、

そう叫んだ【嘆きちゃん】に
寄り添い『なぜ、そう感じるの?』
と、尋ねる。

『どうせ、あの人はいなくなると、
分かってるから』
と返ってくる。

また寄り添い、
『なぜ、そう感じるの?』と問う。

『だって、わたしは
愛される資格がないから』

おそらくは、幾度目かの
『なぜ?』に対し、
こうした答えが返ってくる
かもしれない」

 

「『恐れの前提』を見つけたら、
その後はどうするの?」

 

「君が最初に言った通り、
無自覚だった思い込みに『気づく』
だけで、もう少し、ゆるんでいる。

その後は、この『恐れの前提』を
持たずにはおれなかった、
それほどに過酷だった自分自身を、
ありったけ労ってやるのさ。

『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね…。

ごめんね、気づいてやれなくて。
愛しているよ』
とね」

「『恐れの前提』を
見つけるとき、わたしは一つ、
大切にしていることがある」
最後にわたしはそう言った。

 

「大切にしていること?」

 

「ああ、それはね。
最初から『恐れの前提』を、
見つけに行こうとしないことなんだ」

 

「え…。
『恐れの前提』の見つけ方を
教えてくれたのに、
ずいぶん、妙なことを言うんだね」
と、坊やが言った。

 

「まあね。
大抵の場合わたしは、
『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね…』
寄り添う時間を、何日も、
ときには何カ月も、とったりする。

『一つ聞いていいかい?』
切り出さないまま」

 

「そんなに長い間?」
坊やは驚いた様子で、そう言った。

 

「ああ。
寄り添って休み、時を空けてまた、
お風呂で、
眠る前に、目覚めた時にと、
寄り添うことを繰り返すんだ。

子どもとなんら、違わない
『感情』たちは
『問題解決』より
『愛』を待っている。

その時間がなにより足りなくて、
何より欲しくて、
苦しんでいたんだから。

だから、一旦、
『恐れの感情』探しは
脇に置いて。

ただ、寄り添う時間をつくる。
『感情』たちがゆるむまで。

いわばね。
寄り添いの時間は、君が
彼らの『お母さん』となる時間。

そして彼らが、もう十分にゆるんだら。
『愛されている』ことに安心したら。

やっと、君の中の『お父さん』が
顔を出す。

そうして『一つ聞いていいかい?』
と切り出して、
『なぜ、そう感じるの?』と
優しく問うんだ。

このとき初めて君は、
その痛みの感情と紐づけされた、
『恐れの前提』を探す、一歩を
踏みこむこととなる」

坊やは微笑んだ。

 

「ただただ無条件に
寄り添い続ける『お母さん』。

『お母さん』が、
あるがままを受け入れて、
我が子(感情)が安心したら。

なぜ、そいつが起きているのかを、
『お父さん』が共に
見つけに行くんだね」

 

「そういうことだ。
こいつはわたしの経験則だが…。
『お母さん』の時間の方が、
膨大であることが多い。

時にはね。
ただ寄り添っているうち、
数週間、数カ月経って見れば、
そもそも『痛みの感情』
身の内に溶け込んで、
ほとんど気にならなくなる、

なんてことも起こるんだ。

そうなると、もはや、
紐づけされた
『恐れの前提』への
興味そのものが、湧いてこない。

もしかしたら、いつしか
自分で自分に寄り添ううち、
『愛の前提』に書き変わっている
のかもしれない」

 

坊やが言った。
「『お母さん』の仕事を
決しておろそかにしないこと!
お母さんの仕事と、
お父さんの仕事。

7:3の法則

だね」

 

わたしは笑って、
「面白いことを言う。
確かにそうかもしれない。

お母さんの仕事を、
お父さんは邪魔しない。
じっと、時が熟すのを待つ。

この内なる両親のチームプレイが、
我が子である『感情』たちを、
健やかに育んでいくだろう」
と、言った。


 


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