【「前向きになるために感情に寄り添う」をやめること】

感情への寄り添い方を
知ってからと言うもの、
坊やは穴倉に潜ったまま
出てこなくなった。

わたしの肉体と彼のコンデジョンは
深く結びついていたから、
わたしもまた
ベッドに横たわる日々が続いた。

ある朝、
坊やの泣く声が聞こえ、
わたしはうっすらと目を開いた。

 

「どうしたんだい?
かわいいターナ」

 

「…どんなに感情に寄り添っても、
どんなに自分に声をかけてあげても
どうしても、気持ちが上を向かない。
やる気が起きない。
消えてしまいたい…」

 

わたしはその想いを抱きしめ、

「そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね。

ごめんね、気づいてやれなくて。
愛しているよ」

と、慈愛を込めて囁いた。

そのまま彼と共にあったが、
坊やが問いを投げかけてきたように
感じて、やがて言葉を続けた。

 

「元気になるために、
動き出せるようになるために、
感情に寄り添うってのを、やめることさ」

 

「え…?」

 

「ほら、言ったじゃないか。
感情とは子どもと同じだって。

子どもは愛に敏感だ。
親が自分に
『いい子』になってもらうために
寄り添っていることを
見抜いてしまう。

本来の自分を受け入れている
ワケじゃない。
『いい子』に変わって欲しくて
『悪い子』の自分を受け入れる
フリをしている。

そうした親の要望を
感じてしまったら、
やっぱり彼らはグレたままだ。

今の自分を
なんの条件もなく愛してくれるまで、
スネ続ける、グレ続ける」

 

「つまりさ。
僕が『元気になる、
動き出せるようになる』
そのために、感情に寄り添っているから
かえって元気になれないってこと?」

 

「まあ、そう言うことになるかな」

 

ターナはうつむき、
か細い声でこう言った。

 

「そいつは今、
日本中にいるだろう
『引きこもり』の人達や
その家族に
教えてあげると良かろうね。

今のその人のあるがままを
本気で愛してあげること。

その状態を受け入れて、
変化や成長を求めないこと。
ただ共にいて、抱きしめてあげること」

 

そう口にしたターナは、
わずかに苦しみが薄れたようだったが
やがてまた、しぼり出すように
言葉を続けた。

 

「だけど…。
このままずっと動けなかったら
モクちゃんの人生まで
台無しだ。

新しい占星術を
世界中に広めること。
物語をつむぐこと。
星の使い方を教えること。

やりたいことが
いっぱいあるだろうに。

僕はあなたにウォーク・インし、
おかげで僕とモクちゃんの身体は
密接に繋がっている。

もしこのままあなたが
残り数十年の人生を
僕と一緒に寝込んで過ごしたなら
これほど申し訳ないことはない」

 

「なに、かまやしないさ」

 

とわたしは言った。
それは本心だった。

 

「また来世、やればいい。

それにね、ターナ。
君は誤解を
しているようだが…。

世の中で何かを成すことと
等しく、
心の内側で
自らに寄り添い続けることは
素晴らしい『行動』なんだ」

坊やは驚いた様子で顔をあげた。

 

「素晴らしい…行動?」

 

「ああ、そうだ。
目には見えない『内的行動』だ。

なあ、ターナ。
この世界は、外へと向かう『行動』
重きを置きすぎていると
思わないか。

なにかにチャレンジすること。
実際に動いてやってみることは
たしかに眩しく、ステキだけれど…。

『内的行動』もまた、
そいつと同様に
自分にとって圧倒的に大切な
大業の一つだと思うんだな」
と、わたしは言った。

 

「たとえ動かずジッとしていても
自分と向き合うことは
『内側での行動』だと言うんだね」

 

「ああ、そうだ。
『自分と向き合う』と一言で
言っても、簡単じゃない。

自分の中にあるネガティブな
感情を無視しない。
なかったことにしない。
感情たちの嘆きに耳を澄まし、

『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね。
ごめんね、気づいてやれなくて』

と、慈愛をこめて寄り添ってやる。

この行いが、粘り強さと深い愛、
時に勇気を要することを、
わたしは知っている。

この『内なる行動』に、
生きることに真摯であるその姿に、
わたし達はもう少し、
敬意を払っても良いと思う」

 

坊やは蒸気したほおで、
「それはつまり…。
モクちゃんは
閉じこもりっきりの僕に対し
敬意を持ってるってこと?」
と言った。

 

「その通りだ。
誇らしいターナ。

わたしは君の『内的行動』が
たとえ残りの人生すべてを
費やして行われたとしても、
『素晴らしい人生だった』と
微笑んで永眠するだろう。

だから君は安心して、
自分の気持ちに寄り添えばいい。
わたしは喜んで、君と共にあり続ける」

 

坊やは微笑んだ。
そこに広がったやすらぎは、
海のように深く心地よかった。

わたし達は二人寄り添って、
『今ここ』にある自分自身を
抱きしめあった。

やがて坊やが言った。

 

「ねえ、モクちゃん。

『感情に寄り添う』
こいつ以外に、
『恐れの前提』を手放す
術はないのかしら

 

「ほう…」

 

「だってモクちゃんの言う通り、
こいつはあまりに胆力がいるから。
そして、時間もかかりそうだから。
他に方法があるなら…なんてさ」

 

と、坊やが言った。

 

わたしは笑って、
「あるとも。『恐れの前提』が
生まれた苦しい体験。そこにある
痛みの感情たち。
こいつを『心の傷』と言ったり、
『トラウマ』と言ったりするんだが…。

わたしが思うに、
『トラウマ』はそれぞれ、
希望の癒され方を持っている

 

そうしてまた、わたしは小さな賢者に語り始めた。

 


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