【土星は「陰鬱」という真実と誤解】 | 【公式】モッくまくん®の星のレッスン┃モッくまの星使い辞典

2023年の上半期の星読みを、ある占星術家の方が動画で案内されていて、的確でとても面白かったのだけど。土星のテーマが「停滞」や「陰鬱」と読むのが相変わらず気になった。

土星は具現化の星で、「制限」を設けることで、カタチにする現実の精度を高めていく。美術に携わるとわかるけど、「自由に何でも作って」と言われても、なかなか難しいもの。

紙と絵の具を使いましょう、とか、

この森の、泉の横に彫刻を作って、とか。

ある種の枠があって、初めて想像力をかき立てられる。そしてクオリティも上がる。

私は密かに土星も山羊座も、創造性（クリエイティビティ）の象意を持っていると思ってる。

ただ、土星のテーマ「制限」が、無意識に山ほどある人は、「これはやってはならない」「これはやるべき」を自分自身に無数に強いるので、動きが鈍くなり停滞する。

そしてその不自由さと、（無意識に）自分にムチ打つ行為から、気分は沈み、陰鬱になるのだ。

人類のほとんどすべてが、いわゆる「ねばべき」を手放したなら、土星の象意である「制限」は、途端にいぶきを取り戻す。

マイワールドを創造するための枠取り。

愛してやまない「わたしの」世界の密度を高めるための、不可欠で頼もしい「制限」となるだろう。

最近ではわたしは土星の役割が社会貢献とも思っていない。

あくまで「己の世界」を完成させる存在。結果的にそれが他者貢献に

繋がるだけだ。その時の土星はおそらくとてもフレキシブルで、天王星との調和も高いんじゃないだろうか。

（だって、自分で制限を外したり設けたりできる。そもそもその自由さを持っているから）

だけど、未来の星読みをする時。2023年の上半期とか、下半期とか、そういう星読みをするときはマジョリティの意識にあわせて、

土星の象意を決めなければならない。

多くの人に当てはまる星読みをするには、つまり「当てにいく」には、土星の旧来のイメージを用いて読むしかないのだ。

何せ西洋占星術は星の英知と人間の意識のコラボレーションでできているから。

だから相変わらず土星は「陰鬱」を象徴し、「停滞」を象徴し、

そしてそれで「あっている」ことになる。逆にそのように読まなければ、よく当たる占いなんてできない。

こういう理由で、私はすっかり未来予測の星読みが退屈になってしまった。

誰か、優れた占星術家の未来予測を見て、「フムフムなるほど、こう読むのか…」なんて見ているくらいで充分。

いつか新しい土星や新しいトランスサタニアンや新しい月と太陽で

未来予想をしたいなあ。それがピッタリくる人たちがもう少し増えて、共有できる。そんな世界をコツコツと作っていきたい。

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＊photo　by　トッシイさん

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