【親愛なる人に、ときどき怒鳴り散らしてみること】

「ねえ、モクちゃん。
モクちゃんはどうして、
弟のよっちゃんに
時々声を荒らげて怒るの?」
と坊やが言った。

「はて?
いつのことだろう」

 

「ほら、彼がお酒を飲みすぎたり、
タバコをぷかぷか吸ったりしてると
大きな声で怒ることが

あるじゃないか」

 

「ああ、彼は肺の病気でね。
お酒やタバコは厳禁なんだ」

 

「そんなことはわかってるよ。
僕が言いたいのはさ。
どうして、
『彼の最良を確信する。
できないなら確信するまで
視る』ってのを、しないのかって
ことさ。

彼の健やかな未来が視えていて、
彼の最良を確信していたら
あんなに怒ったりしないと
思うんだよなあ」

 

わたしは思わず吹き出した。

 

「確かにね。
彼にすごい剣幕で怒鳴っている時、
わたしは彼の健やかな未来を確信できて、いなかろうね。

だが、言ったじゃないか。

どうしてもその人の最良が
視えない時は、確信するのを
やめちまえばいいって。

この世の、
あるいはこの人の最良なんて
ありゃしないって、
かんしゃくを起こしたって
かまやしないのさ」

坊やは目をまん丸にして、
わたしを見返した。

「え、でもだって。
モクちゃんは言ったじゃないか。

目の前の人の最良が視えないとき。
それは大抵、自分自身の最良が
視えていないって。

そんな時は、
本来の自分の美しさを
視えなくさせている目の曇り、
『恐れの前提』を探しに
内側に降りることだって」

 

「やれやれ。
どうやらわたしは君に、
あまりに立派な人間だと
誤解されてしまったようだ」

わたしは首をひねり、
次の言葉を思案した。

「目の前の人の最良を
確信できないとき。
それは大抵、己の最良を
確信できていないときである。

確かにこいつは真理だがね。
同時に
自分と誰かさん、2人そろえば
そこに巻き起こる
ケンカも笑いも、
2人で共同創造したとも言える」

 

「共同創造?」

「一緒に作ったってことさ。
つまりね。
2人の間に生まれたその関係性に。
弟のよっちゃんに。
わたしは頼って、甘えてるんだ。
怒鳴り散らすって態度でね。

もちろん、
怒鳴り散らすのを踏みとどまって …、
彼の最良を確信しようと
深呼吸する。

確信が視えないなら
視えなくさせている
自分の中の曇りを探しにいく。

こうしていれば
彼への怒りは消えていき、
そもそもお酒やタバコを
注意する気持ちすら
失せてしまうかもしれない。

少なくとも
とても穏やかに、
彼の気持ちを尊重しながら
たしなめることが出来るだろう。

だが、君も知っての通り
このプロセスは
なかなか胆力がいる。

自分自身にあまりに厳しくて
時々うんざりするくらいさ。

それに何より
つまらないじゃないか。

目の前に起こること全てを
己の問題ととらえて自己解決するなら、
この地球に生まれるなんて
しないで、
あの世でずっと
内省してりゃあいいのさ」
そう言ってわたしは、
ハッハッハッと笑ってみせた。

 

「…僕はいつも
この世界で起きていることは
すべて自分の問題なんだって
思ってたよ。
誰かのせいで僕は苦しんでると
一瞬よぎっても
違う違う、これは僕の問題なんだって、思いなおしてた」
と、坊やは言った。

 

その真理を
知っているのは
素晴らしいことだ。
また、内的な旅に降りるだけの
余裕があるなら
すればいい。

大切なのは、
その1択にしぼらないことさ」

 

「すべてを自分の問題ととらえる。
この1択に?」

 

「ああ、そうだ。
君のように
心のことを深く学ぼうとする人は
ときに『内側の観察』
重きを置きすぎる。

そうするとね。大抵は
『怒り』にしろ
『批判』にしろ
生まれた『感情』
いつまでも発散されないで、
心の底に溜まっていく。

これがくり返されれば、
しまいに
思いもよらない
別の場所で大爆発してしまう。

  
『感情』は『理性』より
はるかにパワーが強いからね。

『思考が爆発する』とは言わないが
『感情が爆発する』と言うように
凄まじい力を持つのが『感情』だ。

だったらそもそも
『感情を抑える』ってのを、
止めるに越したことはない。

どんなネガティブな感情も、
抑圧しないで、
『そこにあっていいよ』
ゆるしてやる。

できうる限り自由にしてやり、
発散できそうな時には発散する

そいつが頻繁にできたなら、
腹に溜まらず
そもそも『爆発する』なんて
大惨事は起きなくなるんだな。

わたしは幸い弟との間に
信頼関係がある。

だからね。

彼との関係性に甘えて、
時に存分に自分の感情を
発散させてもらっているのさ」

坊やは静かにわたしの話を聞いていたが、やがて口を開いた。

 

「そうこうするうち、
内省する習慣を忘れてしまって
怒りのまんま、
批判感情が湧いたまま、
いつも相手にぶつけるようになって
しまったら…?」

 

「心配しなくても
そんなことにはならないさ。
意外かもしれないが、 感情の発散を
誰かにゆるしてもらえていると、
内側の気づきのスピードは
上がっいく。

むしろね。

腹の中に感情をため込んで
発散しないままでいると、
今この瞬間に
生まれた小さなモヤモヤ、
わずかなザワザワ、
こうした心の動きに
気づきにくくなるんだ。

ちょうど、
古米の詰まった袋におっことした
新米の1粒は
見つけ出すのに苦労するのと
同じさ。

袋の中に古米が1粒もなければ、
落とした新米は即座に
見つけることができるだろう?

同様に、
今この瞬間生まれた
微細なモヤモヤは、
古い感情の蓄積が
少なければ少ないほど
即座に気づくことができるんだ。

だからね。
君も時に、感情のおもむくままに
発散する自分をゆるしておやり」

坊やはうなずき、
やがてモジモジしながらこう尋ねた。

 

「モクちゃんは、
僕が急に怒鳴り散らしたって
かまやしない?
ゆるしてくれる?」

 

「ああ、もちろんだ。
そんなふうに、信頼できる相手に
あらかじめオファーして
おくのも素晴らしい。

わたしの中に
君の感情の発散を
受け止めるだけのスペースが
できるから」

わたし達は顔を見合わせ、
互いにふふふっと笑いあった。

 

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