「ねえ、モクちゃん。
僕、名なき者について
もっと知りたいよ。
前みたいに彼らを責める感情は
なくなって、
ゆるせる気持ちになってる。
だからこそ、もっと彼らを理解したいよ」
とある朝ターナは
うるんだ瞳でわたしを見上げ
そう言った。
「かわいいターナ。
そいつは何よりだ。
では、彼らの特性を
さらに丁寧に見ていこうじゃないか」
*
「名なき者と共にあると、
どうなるか。
そいつを知っておいた方が
よかろうね。
主な傾向は3つだ。
1つはね。
感情的な苦しみが絶えない。
彼らは『恐れの感情』が好物だから。
怒りや寂しさ、嫉妬やさげすみ、
虚無感や、絶望感、
そうした負の感情が
打ち寄せる波のように訪れる。
2つ目は、健康被害。
病気がすべて、
名なき者の仕業とは言わないよ。
だがね。
死んだ者の魂と
生きている人の肉体では
周波数があまりに違っていて、
傍にいるだけで、
どうしても疲れやすくなるものさ。
すべてではない。
だが、その可能性を知って
おくのも大切だろう。
3つ目は、思考の堂々巡り。
目の前に苦しい問題が立ちはだかる。
その問題に対し、
『Aを選んでも、Bを選んでも、
Cを選んでも、
どうにもならない。
どっちにしろ、不幸』
と感じてしまう状況だ。
一見、八方ふさがりに見える状態。
これも、
人に突破口を見つけられないよう
邪魔をして、
人の苦悩を食べて生きる
名なき者の仕業だろう。
モクちゃん調べによると
『思考の堂々巡り』には
ほぼ必ず、名なき者がいっちょ噛み
している」
わたしは怖さを和らげようと、
ちょっとひょうきんな言い回しを
して見せた。
幸い坊やは
さしておののく様子もなく
無邪気に問うた。
「え、でも実際に
八方ふさがりな状況って
あるでしょう?」
「そのように見えても
実はどんな問題も、
必ず突破口があるんだ。
例えばね。
ここに一人、結婚もしないで
母親の介護をしている女性が
いるとする。
介護のため、仕事の量も減らし、
疲労困憊。
かといって、
母親は施設に入ることを
頑として承知してくれない。
姉に相談しようにも、
嫁いで遠くに住んでいて
介護を手伝ってくれそうにない。
毎日疲れ切って、
役所などに相談するゆとりもない。
だが、このまま続ければ
自分は心も体も病んでしまうかも
しれない。
そんな状況」
「八方ふさがりじゃないか!」
坊やは目を丸くしてそう叫んだ。
「いや、この状況の中にも
ちゃんと、突破の可能性が
隠れている。
それが何かわかるかい?」
「うーん…。しいて言うなら、
なんとか時間を作って
役所に相談することは
してみてもいいかなあ」
「その通り!」
「え、そんなこと?」
がっかりしたように坊やが言った。
「いや、まだあるとも。
この人は、
『お姉さんは遠くに住んでいて、
介護を手伝ってくれそうにない』
と、相談する前から決め込んでいる。
これだって、いざ連絡してみたら
お姉さんはお姉さんで、
支援団体や、介護サービスなどを調べ、
この人に有益な情報をくれるかもしれない。
あるいは、週末だけは頑張って、
介護を手伝いにきてくれるかもしれない。
相談する前から諦めてしまったのは
この人だろう?」
「本当だ…」
「わたしが言いたいのは、
ある状況を『八方ふさがり』と感じ、
『何を選んでもどっちみち解決しない』と
考えるとき、必ずそこには
『恐れの前提』が
潜んでいるということさ」
「え…、どういうこと?」
「もしかしたらこの人は、
『世界に
わたしを助けてくれる人などいない』
と言う前提があるのかもしれない。
『誰かに頼ることは、弱い人のすることだ』
と言う前提があるのかもしれない。
それがために、
小さな突破の可能性に、自分でも
無自覚に目を伏せる。
そうやって、
『誰も助けてくれない世界』を
自分で作りあげてしまったり、
『頼らないで生きる』道を
是が非でも選び続け、
自らを追い込んだりする。
こういうことが、本当によくあるんだ」
「なるほどなあ。
え、と言うことは、
『恐れの前提』にはたいてい、
名なき者がいっちょ噛み
しているってこと?」
なぜだか坊やはわたしの言い回しを
真似して見せた。
それくらいのゆとりを、
どうやら今の彼は
持ち合わせているようだった。
「その通りだ。
名なき者は、人が『恐れの前提』に
気づけないよう目を曇らせ
そこに生まれる
いきどおりや怒り、
悲しみや孤独感を食べ続ける。
ここで大切なのは
この世に『八方ふさがり』などない
と、知ることだ。
たとえ、八方ふさがりと感じても
『いや待てよ』と、立ち止まる。
自分の『恐れの前提』によって、
あるいは名なき者の目くらましによって、
見逃してしまった突破の道が
どこかに隠れていると、
思い出すこと。
これを知っているだけで、
堂々巡りから抜け出る可能性は
ぐんと上がる。
それに、
『恐れの前提』に気づく方法は
もう伝えたろう?」
「湧いてくる痛みの感情に
寄り添う、だね」
「ああ、そうだ。
そしてもう一つ、
この人の気づきを邪魔してくる、
名なき者たちとお別れする。
つまりは、
身体を浄めてあげる」
「身体を浄める?」
わたしはおもむろにうなずいた。
「苦しい状況のなかで、
どんなに感情に寄り添っても、
どんなに自分を慈しんでも、
やっぱりどうにもならないと
感じることは、実際にある。
そういう時は、
その人のそばに張り付いて離れない
『名なき者』が
邪魔をしているケースは多いんだ。
彼らと距離を取るにはね。
温泉に入ったり、
瀧の水にあたったり、
良いお塩をたっぷり入れたお風呂に
入ったり、
そんなことが有効なんだ。
あとは、身体を動かすなどの
運動もいい。
体内のとどこおりを、血流や
汗で流してくれる。
また、家のお掃除も有効だ。
物や埃でとどこおった場所が、
彼らのお気に入りだから」
「そうか。
『痛みの感情』に寄り添うのと
同時に、
『名なき者』と手を切るための
お清めが大事なんだね。
でもさ、お風呂や温泉が苦手な
人もいるよね?」
「病気で入れないなら仕方ないが、
『ただ嫌い』なのだとしたら、
そもそもそいつが『名なき者』の
邪魔なのさ」
「そんな、人の趣味趣向まで
入り込んでくるの?!」
「んー…趣味趣向に入り込むと
言うよりは、
共に過ごして長いから、
『名なき者』の『温泉が嫌い』と
言う感情を、
自分自身の感情と
混同してしまっているのさ」
「そんなことがあるんだ…」
坊やは驚いた様子で言った。
「だったらちょっと思い切って、
温泉や塩のお風呂に
長くつかってみるのもよいね」
「そう。
そのようにしてから、もう一度、
問題を見つめてみる。
するとね。
不思議と、ポンッと突破口が
見えたりするものさ。
自分がにぎっていた
『恐れの前提』に
気づけたりするものさ。
いいかい?
この世に『恐れの前提』を
一つも持たない者などいない。
わたしも、ターナ君も、
知らず知らずのうちにそいつを
持っているものさ。
『恐れの前提』のそばには
まずもって名なき者が門番を
している。
我々が前提の存在に気づかないように。
つまりさ。誰だって一人や二人、
『名なき者』と共存しているのだから、
怖がることはないんだ。
彼らは今まで
わたし達の『痛みの感情』を
食べて生きながらえ、
同時にわたし達の感情に、
寄り添ってきたとも言える。
ある意味では、
わたし達が見ないようにしてきた
我が子同然の感情のそばに
唯一、共にいてくれた存在だ。
だが、わたし達はもう
彼らの寄り添いがいらなくなった。
『過去のわたし』の痛みを
わたし自身がレスキューし、
『八方ふさがり』と言う迷宮から脱出する。
そのタイミングがやってきたんだ。
だから、願わくば『名なき者』に
感謝の言葉を捧げて欲しいんだな。
『今まで共にいてくれてありがとう。
わたしはもう、大丈夫。
幸せになる道へと進みます。
どうかあなたも、自由になってください』とね」
―
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