「ねえ、モクちゃん。感情に寄り添うってどうやるの?」
坊やが言った。
「そいつはすこぶる簡単だ。
とは言え、丁寧さが必要だがね」
「丁寧さ…?」
「丁寧さと言うより、
深い思いやりといった方が
いいかもしれない」
「ふーん…」
わたしは坊やに向き直った。
「自分の中に
もやもや感情が湧いたとき。
『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね』
と、慈愛を込めて、声をかけてあげる」
「それだけ?」
「ああ。
もし、もう少し踏み込むなら
その後に、
『ごめんね、今まで気づいてやれなくて』
と、言ってあげてもいい」
坊やはピンとこない様子で
言葉を返した。
「例えばさ…。
中々動けない自分が嫌。
そんな風に思ったら…」
坊やはそこから目を閉じて、
「『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね』」
と、つぶやいた。
「不思議。
自分で自分に声をかけてあげると、
スッと抜けるような感覚がある」
「だろう?
案外わたし達は、自分の感情を
受け入れているようで、
受け入れていない。
とくに、ネガティブと言われる
感情たちはね。
だが、彼らもわたし達の一部だから」
「以前、モクちゃんは言っていたね。
感情は、自分の子どもに似てるって。
悲しいとか、憎らしいとか、
恨めしいとか…。
そういう感情たちを、
無くそう無くそうとするのは、
グレた我が子を、
いなかったことにするのと同じって」
「ああ、そうだ。
どんな感情も君の中から生まれた、
大切な君の分身。
責めるばかりでは、グレてしまう。
愛さなければ、病気になる。
存在そのものを無視したならば…
そうだな、
君が子どもなら
どんな手段に訴える?」
「うーん…。
僕の存在に気づいて欲しくて
大暴れしてしまうかもしれないね」
「そういうことだ。
わたしはね、ターナ。
多くの理不尽な犯罪行為は、
その人が自分の感情を
無かったことにし続けて、
ついにはそいつが爆発した
結果なんだと思っている。
つきつめると、犯罪も、いじめも
戦争もすべて、誰かの心の傷を
無視したことが
原因なんだってね」
ターナは感慨深げに聞いていたが、
やがて目を伏せた。
「でもさ」
わたしは彼の次の言葉を
じっと待った。
「とても、受け入れられないような
感情を、抱いてしまったら?」
「ほう…」
「誰にも言えないような感情。
例えば、そうだな…
『僕なんて、
この世からいなくなっちゃえばいんだ』
とか」
わたしは、しばし沈黙し、
「あの人なんて死んでしまえばいい…とか?」
と、言った。
そのように付け足したのは、
坊やの言葉の背後に、もっと深刻で
もっと痛ましいなにかが、
隠れているような気がしたからだ。
坊やは両手で顔を覆った。
「この大地に降り立つとすぐ、
僕にはたくさんの人たちの
嘆きが聞こえた。
その中にはたしかに、
誰かの死を願う強い憎しみがあったんだ。
ねえ、モクちゃん。
そんな激しい感情にも
『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね』
と、言ってやるの?
『ごめんね、今まで気づいてやれなくて』
と、声をかけるの?
憎しみいっぱいの自分が、
ゆるせないのに?」
「たしかにね。
優しい言葉をかけようとしても、
『こんな自分がいや!
とてもそんな気分になれない!』
と、反発してしまうことはある。
そうしたらね。
そう反発した感情にも
同じように声をかけてやる。
『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね』
『ごめんね、今まで気づいてやれなくて』
とね。
いいかい?ターナ。
感情はすべて自分の子ども。
こいつを忘れないことだ。
ここには二つの感情がある。
『あの人なんて死んでしまえ!』と
叫ぶ感情、
仮にこいつを『コワモテ嘆き君』と
名づけよう。
一方で、『そんな自分が嫌!』と責め立てる
『マジメちゃん』もいる。
そのどちらも、君から生まれた
かけがえのない子だと言うことを
決して忘れないことなんだ。
君は彼らの母となって、
まずは『こんなわたしが嫌い!』と
叫ぶ『マジメちゃん』に
慈愛を込めて、
声をかけてあげる。
そうするとね。
まずは『マジメちゃん』がゆるむ。
そして、君の中に
『コワモテ嘆き君』へ
声をかけられるだけのゆとりが、
スペースが、
きっと生まれるだろう。
もちろんさ。
そんなスペースは生まれず
他の感情がまた、
『うるさい!黙れ!嘆き君たいなヤツが
いるからわたしは不幸なんだ!』
なんてシャウトすることもある。
そしたらその子にも
名前をつけてやって、
同じように、慈愛を込めて
声をかけてあげるんだ。
『そう感じずにはおれないほどに、
苦しんでいたんだね』
ってね」
「…慈愛をこめて」
「そう、慈愛をこめて」
坊やは涙をふいて、
そっとわたしのそばへ身を寄せた。
そうして、湧いてくる様々な
感情たちに愛称をつけると、
優しく声掛けを始めた。
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